「影からの客」桃花村 舞踏公演をみて
ここ袋井という地元で田中泯の世界に触れるチャンスがあるのは、私としても
毎年の楽しみとなっている。
初めて、田中泯の公演を見たのは1998年山梨の白州の夜の公演「グリムの世界」
だった。新鮮な驚きと感動があった。
この年、山梨・白州の公演に友人5人と車でめざしたのも本当に偶然な出会いの
連続があった。まづ、私の神戸での作品展のきっかけとなった女性舞踏家との出
会い,又そのギャラリーに偶然訪れた写真家の稲田貞史氏との出会い、彼の写し
た美しい写真集<舞踏の世界>をたづさえて、それが縁で出会った田中泯舞踏集
団のメンバーのザックのワイフかおりさんとの出会い。その彼女の情報から白州
での公演を知る事となった。
以来、折をみて世田谷パブリックシアターでの公演と足を伸ばさないと触れるこ
とのできない田中泯の世界を、なんとここ袋井では今年で3回目。影ながらのファ
ンとしてはうれしい限りだ。
舞台とそこで静かで、又激しい動き・・・闇とわずかな光・・・・・・・・。
田中泯の創るこの空間の一瞬一瞬が・・・いつも「美しい」と感動させられる。
演ずることない激しい、時に静かな身体表現のエネルギーが私の眠っている感覚
を刺激して呼び覚まされる。
今年は15日の田中泯の独舞を訳あって見逃したのは本当に残念だったが、14日の
「影からの客」よかった!!
特に、昨年来のデイナはさらにみがきがかかり、身体表現とバランス感覚は特に
ひかっていた。私はすっかり彼女のファンになってしまった。
2002年9月28日 創作人形作家 瀬川 明子