CONTEMPORARY DANCE WEEK IN RAKUDOSHA 2002

2002.9.14   桃花村「影からの客」

2002.9.15   田中泯 独舞


田中泯 独舞


 困った。泯さんのダンスを見たこの感じを、言葉にしようとすればするほど大切なものが指の間からこぼれおちていきそうで。           

身体はそのかたちにも動きにも、その人が見つめているものだけが立ち表れる。泯さんのダンスは、その内部に深く深く降りていく旅のようなもので、私たちは漕ぎだす船に乗り合わせた客、泯さんはその力強い漕ぎ手です。

樂土舎という場にただよう氣がそのままダンスに移行して、そこに流れているのは、一瞬の中の永遠。

原初的に、好きか嫌いかでしか判断できない私だけれど、好きか嫌いかはおそらく、感覚的なものに触れてくるかどうかにかかっているのだと、静かな興奮をかかえた身体で、いつまでもそこを立ち去り難く、私は思い切り深呼吸した。

          2002101日      舞踊家  竹内登志子 記す


寄稿エッセイ
<田中泯 独舞>を観て    グラフィックデザイナー  鳥井 素行